沈黙する人 | エフ カウンセリングオフィス

沈黙する人

                   

話そうと思っても声にならない。
なにか言おうとしても言葉にできない。
こんな経験はありませんか?
あるいは・・・ 何を聞いても答えてくれない。
自分からなにかをしゃべろうとする気配が無い。
こんな人があなたの身近にいませんか?
自分の言葉でしゃべれる人は幸せだと思います。
しゃべりたくてもしゃべれない、自分の言葉を失ってしまった人がたくさんいます。
それが「沈黙する人」です。
人は誰でも自分のことを理解してほしいと思うものです。
自分が経験したことを聞いてほしいと思うものです。
嬉しかったこと、楽しかったこと。
悲しかったこと、腹が立ったこと。
どんなことでも批難されずに、誰かにそのまま受け取ってもらえると安心できます。
安心して、自分はこれでいいのだと思えます。
ところが、自分らしさをそのまま受け取ってもらえずに否定されたとしたらどうなるでしょうか。
たとえば、嬉しかったことを「それは間違いだ」と評価されたとしたら・・・?
自分が感じたままではなく、自分以外の「何者かが決めたルール」に従わなければいけないとしたら・・・?
そうやって生きていくということは、自分を殺して生きていくということです。
それは生き地獄と言ってもいいかもしれません。
何かしゃべったら、その途端に否定されるとしたら?
もしかしたら次のような考えが浮かぶかもしれません。
「自分を否定されるくらいだったら、いっそのこと何もしゃべらないでおこう」
しゃべらないでいれば、少なくとも批難を浴びたり否定される危険性は回避できます。
こうして次第に沈黙を深めていく、そんな人がいても不思議ではありません。
沈黙することで、自分らしさが破壊されるのを防いでいるのです。
では、このように沈黙する人は、一生そのまま沈黙を続けるのでしょうか?
そんなことはありません。
いつか口を開いて自分の言葉でしゃべれる日が必ずやって来ます。
なぜなら、言葉を介せずに、言葉の力に頼らずに、
「人と対話することができる人」がこの世には存在するからです。
相手の存在を「そのまま認める」。
そんなことができる人がいるのです。
と言っても特別な能力を持っているとか、そういうことではありません。
「わからないことを無理やりわかろうとしない」 それができる人です。
わからないことはそのままに置いておく。
相手のことを簡単に、自分流に解釈したり、憶測したり、判断したりしない。
相手の数少ない言葉で、相手をすべて理解したつもりにならない。
こんな人に遭遇すると、不思議と自分が受け入れてもらえたような気分になります。
なぜか自然にしゃべれるようになります。
そして、自分も同じように、相手をそのまま認めてみようという気分になれるのです。
今、沈黙せざるを得ない状況におかれている人もいることでしょう。
でもいつの日か、自分をそのまま受け止めてくれる人に出会う日が来ることを楽しみに待っていてほしいと思います。
じっくり周りを見渡してみれば、そういう人が少なからずいることに気付けるはずです。
優しそうにしているとは限りません。
意外な人だったりしますよ。  


Posted on: 12月 7th, 2013 by エフ カウンセリングオフィス No Comments