「許す」とは? | エフ カウンセリングオフィス

「許す」とは?

                     

人を許す、とは一体どういうことなのでしょうか。
長い間、この問いの答えを探しましたが、見つけることができずにいました。
「許すことで苦しみから解放されますよ」とか、「許すことがあなたを救う唯一の方法です」
などという文章を見たことがあります、いろいろなところで。
その文章の前後を読んでみると確かにそうなのかな?とは思うのですが、
肝心の「許す」ことの意味を解説してある文章に出会ったことがありません。
いえ、実は出会っていたのかもしれません。
でも記憶にないということは「そうか、なるほど!そういうことなのね。」と、
腑に落ちて
実感できていなかったということです。
頭で理解できても気持ちが納得してくれなかったのですね。
なぜなら私の心の奥底にはこういう思いが沈着していたからです。
『なぜ、あの人を許さなくてはいけないの?私は傷ついたのに…』
そして現在の私がどういう状態なのかというと…。
『あの人を許したという覚えはない。でも許せない気持ちは残っていない。』
そうなんです、「許せない」という気持ちがいつの間にかどこかへ飛んで行ってしまった 状態なのです、
何をしたという記憶は全くないのに、です。
もしかしたら、その人を何とか変えようとしのを諦めた瞬間に、
「許せない」という気持ちが 消えたのかもしれません。
時間をさかのぼり記憶をたどっていくと、そんな風につじつまが合うのです、私の中で。
だとするとやはり、この『諦める』ということが私にとっては大きな意味を持っていたのだと思います。
なぜ私は諦めたのか。
あらゆる方法を試みたけれど無駄に終わった…
万策が尽きたことを実感したから、です。
「万策尽きた実感」が私に「諦めている」自分を気づかせた、
と言った方がぴったりかもしれません。

あの人を変えることができる確率は、たとえば私がアメリカの大統領になる確率よりも
低いことのように思えた、そのくらいあり得ないことのように思えたというわけです。
やれるだけのことはやった、これ以上は時間の無駄、しょうがない、諦めよう・・・。
この境地に立った時に、「許す」か「許さない」かということが一瞬にして 無意味になってしまったのです。
なんというか表現しずらいのですが、その相手はもはや私にとっては
コミュニケーションが とれる「人間」ではなく、
言葉が全く通じない謎の「宇宙人」になってしまったようなものでした。
宇宙人なんぞに余計なちょっかいを出して不必要な災いをこうむる危険を冒すよりも、
自分の安全が確保できるだけの距離を取るために私はその宇宙人から離れたのです。
気づかれないように、そっと静かにゆっくりと・・・。
ちなみに、その謎の宇宙人は私を追いかけて来ることはありませんでした。
どうやら私のことを見失っってしまったようです。    


Posted on: 2月 8th, 2012 by エフ カウンセリングオフィス No Comments