言葉を慎む | エフ カウンセリングオフィス

言葉を慎む

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先日、出かけた先で、偶然ある言葉を目にしました。
どんな言葉だったのかというと、一言一句、正確には思い出せないのですが・・・
それは、無神経にしゃべり過ぎないように気をつけなさい、
というような意味合いの内容でした。
なぜ気をつけなければいけないのかというと、言葉を出せば出すほど、
自分の言葉に酔ってしまって暴走する。
しまいには自分でも思ってもみなかったことを口走ってしまうことにつながるから、だそうです。 なるほど、と思うのと同時に、かなりドキッとしてしまいました。
鋭いところをつかれたような気がして…。
誰しも多かれ少なかれ「功名心」というものを持っていますよね。
私にも・・・あります。 こうしてブログを書いているのも、もしかしたら「功名心」のなせる業かもしれません(苦笑)。
「功名心」とは言いかえれば、自分に価値があることを認めてほしい、褒めてほしいという気持ちの事だと私は思うのです。
自分に価値があるからには、自分を「正しい」はずだと思ってはいないだろうか?
どこかで自分が正しいと思ってしまっているかもしれません。
そんな時には、その正しさを証明しようとして、自然と言葉が多くなっていくはずです。
冒頭に挙げた、私が出先で偶然出会った言葉は、暗ににそのことを戒めているのではないかと思うのです。
「常に自分が正しいと思うことなかれ」と。
つまり、「答えは一つではない」ということですよね。
いくつも答えがあるということに気が付けば、ことさら「「自分の正しさ」を必死に証明する必要などないわけです。
相手の言葉の意味を考えてみる余裕も生まれます。
相手を批判する必要もなくなります。
自分が批判されているのでは?と勘繰って悲観的になる必要もないですよね。
「答えは一つではない、別の可能性もある」としたら。
言葉を介したコミュニケーションには「誤解・思い込み」という罠が潜んでいます。
なぜなら誰一人として、自分と全く同じ価値観・世界観を持っている人間などこの地球上には存在しないからです。
同じものを見ていても、自分と他人とは全く違う景色を見ているかもしれない、ということです。
ある人の目には「良い」と映るものが、別の人の目には「悪い」と映る・・・。
自分の考えや思いを、自分が感じているそのままに他人に伝えるというのは、
なんと困難な事だろうと思います。
上手く伝わらないだけならまだしも、思いもよらず「相手を傷つけてしまう」ということも大いにありうるわけです。
これは怖い・・・。
傷つけてしまったという罪悪感と戦う羽目になります。
傷つけられたと感じている相手も苦しいでしょうし、お互い不幸です。
でも、こんな危険を冒してまでも、何かを口に出したり文章にしたりして伝えようとするのは
何故なのでしょうか?
もしかしたら、本当に伝えたいことをまだ伝えられていないから、かもしれませんね。
そして、本当に言いたいことが何なのかも、まだよく分かっていないから、なのかもしれません。
言葉にする前に「自分が本当に伝えたいのは一体何?」と問いかけていったら、
それが何かわかるのだろうか?
言葉を浪費しないでそぎ落としていけばいいのだろうか?
本当に伝えたいことというのは、案外シンプルなことなのかもしれません。
考えているうちに、そんな風にも思えてきました。


Posted on: 8月 30th, 2012 by エフ カウンセリングオフィス No Comments